ビートルズはシングルとアルバムで本当に収録曲を分けていたか?

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2008-09-23

前回、エルヴィスの「カムバック・スペシャル」の記事を書くに当たって参考にした本が「ワークス・オブ・エルヴィス」。

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発行は94年、著者はストーンズ・ファン・クラブ会長だった越谷政義さん、内容は完全ディスコグラフィーと全曲解説で膨大なエルヴィス作品を知るには大変役に立つ1冊である。この本を隅から隅まで熟読していた訳ではなかったのだが、今回この本を読んでいて今まで見落としていた記事に目が行った。

内容は次のとおり。
56年1月27日、RCAビクター移籍後初のシングル「ハートブレイク・ホテル」発売
56年3月13日、ファーストLP「エルヴィス・プレスリー」発売
アルバム・リリース時にはすでに「ハートブレイク・ホテル」が大ヒットしていたが、トム・パーカー大佐のアイデアであえてファースト・アルバムにはそのヒット作を収録していない、シングルとアルバムの両方のベスト・セラーをマネージメント・サイドは狙ったのである。

この記事を読んで「おっ!」と思った方は多いと思うが、これと同じ話がビートルズの場合は「(英国では)シングルとアルバムは収録曲を分けてファンに同じ曲をダブって買わせない様に配慮していた。」と一般には言われていた事である。
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(ちなみに「これがビートルズだ」には次のように記載されている。「シングルとして出した曲をアルバムに再録することをよしとしなかったビートルズだが、この時点ではレコード会社の意見にしたがうしかなく・・・」)

これに関する話は色々なところで書かれているので目にする機会も多いが、これってビートルズの場合は話が美化されて解釈されているような気もするけれど、もしかするとエルヴィスの商法を単に真似ていただけではなかったのかと思うのである。その当時の音楽業界の主流は米国であって、英国を含む諸外国においてはビジネス面では米国を手本にしていた事が十分考えられるし、ビートルズがシングルとアルバムでは収録曲を分けていたとはいっても「ラヴ・ミー・ドゥー」「プリーズ・プリーズ・ミー」など一部の曲はシングル盤、コンパクト盤、アルバムと3回も使い回されているのである。

本当にビートルズがレコードのリリースに対してそこまで考えていたのか疑問でもあるし、もし、ファンの立場を本当に考えてリリ-スしていたのなら同じ曲を(短期間に)3回も使いうのはどう考えてもおかしい。やはりレコードの発売に関してはいくらビートルズといえども(特に初期においては)レコード会社のリリース方針に口出しできる立場ではなかったと考えるのが本当のところであったと思う。
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Comment

D♂ka : 2008-09-24(Wed) 19:19 URL edit
 まずLove Me DoとPlease Please Meの時点では、間違いなくレコード会社に口を出せなかっただけでしょう。また、EPは全て(Long Tall Sally EPとMagical Mystery Tourを除く)ビートルズの「作品」ではなくレコード会社の「商品」なので、これも基本的には除外出来ます。作品(=アルバム)の作り方に関しては拘っても、商品のリリース計画に対しては実際に口を出した形跡はありません。
 また、Hard Day's NightやHelp!はサントラという性格もあってアルバムから外せなかった。また、Hard~の場合は「全曲レノン&マッカートニー」というコンセプトを重視した為にあえてシングルの4曲を収録したと思われます(Long Tall Sally EPの4曲を収録するという方法もあった筈なのにあえて外したのはそれが理由だと思う)。

 それよりむしろ、大ヒットシングルのShe Loves YouとI Wanna Hold Your Handがありながらセカンドアルバムには一曲も収めないだけでなくシングルカットさえしない(All My Lovingの様なヒット性のある曲があるにも関わらず)という方針がデビューから1年弱で認められてしまったと言う事実の方に注目すべきだと感じます。
てらだ : 2008-09-24(Wed) 22:20 URL edit
○○さん(←伏字で失礼します)、D♂kaさん、コメントありがとうございます。

たしかにセカンド・アルバムにはシングル曲を収めなかった、あるいはシングル・カットを一切しなかったという事実はレコード会社の方針にはまったく相反する行為だった訳ですから、その時点ではビートルズの実力をレコード会社も認めない訳にはいかなかったでしょうね。

シングル曲に頼らなくても手持ち曲が次から次へと湧き出てくるという強みも他のアーティストには真似できないものでしたから、なおさらだったと思います。

この件についてメンバーや関係者からのコメントが聞ければ一番なんですけど、もしかするとジョージ・マーティンあたりが何らかのコメントをしていたかもしれないですね。
whoelse : 2008-09-24(Wed) 23:22 URL edit
てらださん こんばんわ。


興味深く読ませていただきました。

確かにビートルズはエルヴィスのファンであったから
そのように「俺たちもシングルは別にリリースするんだ」
という発想はあったかもと思います。

でも、疑問なのが、
同時期のイギリスのバンドは
同じくシングルは基本収録せずにアルバムリリース
(WHOやKINKSも1st,2ndシングルはアルバム未収録だったはず)
がされていたと思うのですが、
実際、他もバンドもエルヴィスのマネをしたのか
マーケティング的にどう考えてたのか非常に
興味がつきません。


逆説的に、両方ベストセラーを狙ったとは言え
なぜエルヴィス陣営はシングルを収録しなかったのか
(デビュー盤で、アルバム市場が大きくなりつつあったアメリカなら、
シングル収録しないのがリスクが高いと思うのですが。。)

この辺の理由も知りたいですね~

てらだ : 2008-09-24(Wed) 23:55 URL edit
whoelseさん、こんばんは。

フーやキンクスなど、他のアーティストのリリースについては考えてもみませんでしたが、そういえばストーンズの場合は「カム・オン」や「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」などのシングル曲の多くはUKのファースト、セカンドにはたしか未収録だったはずですね(間違っていたかもしれませんが)。

ビートルズ以外のアーティストについてもこの時期のリリース状況を調べてみるとレコード会社やア-ティスト、あるいはマネージャー・サイドでのビジネス戦略というものも見えてくるかもしれませんね。
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