リマスター盤視聴記(まとめ)

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2009-11-12

さて、私のリマスター盤視聴のまとめである。
リマスター盤を単なるリニューアル盤として聴いていれば素直に感動できたのかもしれなかったが、「最高の音質」という前宣伝や20年ぶりのリマスターということでいやがうえにも過剰な期待感を持ちすぎていただけに実際に聴いたときの第一印象が、「最高の音質っていうのが、こんな音なの?」というまったく期待はずれな感想でしかなかった。それが事実であるかのように気にも留めていなかった「ザ・ビートルズ・ファースト」(←以前のブログ記事)が予想外に音が良くてこちらの方が感動したぐらいである。

2000年以降に発売された「ビートルズ・1」や「キャピトル・ボックス」などですでに高音質化されてきたビートルズの曲を聴きなれてしまった耳には無意識のうちにそれ以上の高音質を求めていた訳だが、やはりそう簡単には現実とかけ離れたような高音質化が叶うはずもない。しかし、期待したほどではなかったとはいってもステレオ盤の音質向上は間違いないが、モノに関してはやはり納得できない。

リマスター盤の音はたしかに60年代アナログの再現を狙った音としては成功しているのかもしれないが、私自身が期待していた音はもう少しワイドレンジでオーディオ的にも気持ちよく聴ける音作りであった(このあたりはなかなか文章や言葉ではうまく伝えられないが)。しかし「アビイ・ロード」を聴くと、こんなにヒス・ノイズが入っていたのかと思うぐらいだから、マスターテープの再現度としてはギリギリなのかもしれない。だとすると、これ以上の音質は望めないのかも、と思うと残念な気持ちもある。

以上がこの2ヶ月ほとんど毎日のようにリマスター盤を聴いてきた私個人の感想である。
視聴するステレオ・セットで違って聴こえるのは当たり前だと思うし、良質のヘッドホンで聴けばさらなる高音質が現実のものとなるのかもしれないが、私はスピーカーから聴こえる音楽を楽しみたいので、なんとかこのリマスター盤をより良い音で聴ける日を夢見てステレオ装置のセッティングなどを模索してみたい。


bladerunner_01_1.jpg

「ビートルズ」のリマスター盤と映画「ブレードランナー」

映画「ブレードランナー」を知ったのはレーザー・ディスクで映画を楽しんでいた80年代後半だったが、当時のレーザー・ディスクのカタログでは「SF映画の傑作」というような宣伝がされていたような記憶がある。レーザー・ディスクでは通常盤も出ていたが、ちょっと値段の高いワイド・スクリーン版を購入してこの映画を見たときの感想は、「これがそんなに評判の良かったSF作品なの?」という感じでこの映画の魅力がよく分からず、SF映画としてはかなり地味な印象を受けた。しかし、命をテーマにしたその内容はなぜか心の残るものがあり、その後何度か繰り返して観ることによってじわじわとこの映画の魅力に取りつかれていった。

最近になってテレビ放送された「ブレードランナー」のメイキング版を見ていたら、この映画の評価はふたつに分かれたが、「面白くなかったという観客はスター・ウォーズやインディ・ジョーンズのようなものを期待していたんだ。」という話があった。なるほど、それは今回のリマスター盤について私が期待していた心境とかなり似ているような気がするが、私も日を追うことによって「ブレードランナー」と同じようにリマスター盤のすごさがじわじわと分かってくるのかもしれないことを願いたい。

最後に「ブレードランナー」はCGを使わない最後のアナログ撮影のSF映画だったそうだが、キレイな映像美をはじめとして本当にCG無しでよく作ったものだと思う。今でも「ブレードランナー」は私の心に残るSF映画の傑作のひとつである。
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Comment

whoelse : 2009-11-14(Sat) 15:22 URL edit
てらださん、こんにちわ


未だリマスター盤はステレオ盤は購入してないのですが
今回のリマスターで、僕も聴き込みもしましたし
ブログも数々読みましたが、いかにビートルズの音源が研究されて
いるか、みなさんの好みの音質があるかが逆説的に分かりましたね。


新音源に関しては、クリアに聴こえて快適だったり
新しい発見もあります。

が、以前も書き込みしたかもしれませんが
例を出すと''Paperback writer''のモノラルバージョンは
オリジナル7インチのモノミックス音源より勝るものは
無いと思います。
(パチパチノイズも含めての全体感)


でも、考え方を変えると、いい音質の音源が簡単に手に入るように
なったということで、ビートルズをこれから知る方に向けても
良かったし、我々も聴く音源選択肢が増えて良かったなぁ
と個人的には思っております(笑)


期待したいのは、このマスターを使ってのアナログ盤です。
モノラルボックスが出たら、えらいことになりそう。。。
(特にお財布的に)

てらだ : 2009-11-14(Sat) 21:24 URL edit
whoelseさん、こんばんは。

>オリジナル7インチのモノミックス音源より勝るものは無いと思います。(パチパチノイズも含めての全体感)
同感ですね。現在この音源をコンデションのいいオリジナル・シングル盤で聴くためにはかなりの出費が必要になります。もし、この音を再現してくれていたら世界中のファンが手軽にオリジナルの音を楽しめるチャンスだったと思うのですが。

>期待したいのは、このマスターを使ってのアナログ盤です。
現在でもアナログ盤が細々と売られている現状を考えるとUK(EU)ではリマスター音源のアナログ盤として発売されそうな予感はしていましたが、どうやらモノラルとステレオの両方がアナログ盤としてリリースされそうな情報もあります(ボックス・セット?)。

最初からCDとアナログの両方をリリースする計画があったのであれば、記事にも書いたようにCDは現代的でオーディオ的に(誰もがスゴイって思うような)魅力ある音つくりにして(←もちろん賛否両論あると思います)、アナログは60年当時の音を忠実に再現という方向であれば面白かったと思います(新品のレコードで60年代の音がノイズ無しで聴けるのですからこれは感動するかも)。

お財布は・・・、本当にきびしいですね(笑)
JD : 2009-11-14(Sat) 22:41 URL edit
てらださん、こんばんは。
てらださんのリマスター盤視聴記には、実はいろいろと考えさせられました。

話をMONO箱だけに絞りますが、僕は当初は今回のリマスターを(低域不足を除き)それなりに評価していました。

しかし、てらださんのコメントを読み、現状のCDで出せる最高の音なのかどうか?と問うと、それはそうでないと思います。

結局、今回のリマスターはアナログ盤のサウンドを再現しようとしたのでなく「アナログっぽく聴こえる」ようにメディアの器を最大限に生かさなかったと言う、ただの「引き算リマスター」だったのかなと。

例えば、Withなど今回のリマスターCDはマト7っぽい音ですが、CapitolMasters収録曲はマト1のようなサウンドだなと思えます。大音量で聴いてどっちが満足かと言うと、僕は後者のCDです(ちょっと高音がきついですが)。

シングルPapreback writerの強烈なベースも結局はシングルカットの際にATOCと言う装置(音の立ち上がりが過度入力にならぬよう自動補正する)で針飛びしないぎりぎりまでレベルを上げたおかげだし、実際のマスターテープの音とは違います。
そういうところまで踏み込んで「これこそが当時ビートルズが聴かせたかったモノラルサウンドだ」と言うものを、最新技術を駆使して出すべきだったのかもしれないですね。録音されたサウンドと聴かせたかったサウンドとは、この場合、同じでないと僕は思うので。特に低音不足はビートルズが意図したわけでなかったことだし。

てらださんの記事を読むまで、そういう考えはなかったのですが、今となっては僕もちょっと不満足になっています。こういう視点も大事ですね。ありがとうございました。
てらだ : 2009-11-14(Sat) 23:38 URL edit
JDさん、こんばんは。

貴重なコメントありがとうございます。
私は音の状態を文章にするのは苦手なので本当に大雑把な表現でしか書くことができませんでしたし、これからリマスター盤を聴こうとしている人に変な先入観を持たせてしまっては申し訳ないなあ、と思いつつもこのような感想を書かせていただくことになってしまいましたが、JDさんの言われるメディアの器を最大限に生かさなかったと言う、ただの「引き算リマスター」とはうまい表現だと思います。

私もキャピトル・マスターズの方向で音作り(こちらの方が現代的だと思う)がされていればもっと楽しめたような気がしますし、リマスター盤の音が40年前のサウンドの再現であるとすれば、それを聴いた今となってはわざわざこの音にこだわって音作りをする必要もなかったように思っています。

繰り返しになりますが、私が期待していた音ではなかったというのは、あくまでも「私の期待して音ではなかった。」というだけであって、皆さんそれぞれの視聴環境によって異なることはお断りしておきます。結局はビートルズの音楽をより良い音で聴きたい(楽しみたい)というファンの勝手な願いでしかないのですけどね。
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